本記事のデータは国土交通省「不動産取引価格情報・成約価格情報」(2025年第1〜第4四半期)をもとに集計しています。目黒駅・中目黒駅最寄りの中古マンション取引のうち、実需向けの1LDK以上に絞った合計303件(目黒199件・中目黒104件)を対象としています。届出・公開された取引の一部であり、すべての取引を網羅したものではありません。
「目黒と中目黒、結局どっちがいいんだろう?」
隣り合う2つの駅でありながら、街の雰囲気はけっこう違います。目黒は落ち着いた住宅街、中目黒は目黒川沿いのおしゃれな街。でも相場はどうなのか。「なんとなく中目黒のほうが高そう」「いや目黒のほうが高級なイメージ」——どちらの声もよく聞きます。
今回は、2025年の実取引データをもとに2駅を徹底比較しました。「どちらが高い」より「何LDKを探すかによって答えが変わる」——そんな発見が一番の読みどころです。一緒に見ていきましょう。
01. 全体中央値はほぼ同じ——でも中身は全然違う
まず全体の数字から。一見すると「ほぼ同じ」に見えます。
| 駅 | 件数 | 中央値 | 平均値 | 坪単価(中央値) |
|---|---|---|---|---|
| 目黒 | 199件 | 1億円 | 1億2,688万円 | 589万円/坪 |
| 中目黒 | 104件 | 9,800万円 | 1億1,678万円 | 570万円/坪 |
中央値の差は200万円、坪単価の差は19万円/坪。確かに数字だけ見ると「ほぼ同じ相場」です。
でも、この「ほぼ同じ」は罠なんです。間取り別に分解すると、1LDKと2LDKで「どちらが高いか」が完全に逆転します。全体の中央値が近いのは、互いの強みと弱みが打ち消し合っているから。次のセクションで確認してみましょう。
02. 間取りで「どちらが安いか」が逆転する
ここが今回の比較で一番伝えたいことです。「何LDKを探しているか」によって、選ぶべき駅が変わります。
| 駅 | 件数 | 中央値 | 坪単価(中央値) |
|---|---|---|---|
| 中目黒 | 35件 | 5,700万円 | 455万円/坪 |
| 目黒 | 58件 | 7,300万円 | 559万円/坪 |
1LDKは中目黒が1,600万円安い。坪単価も104万円/坪低い。「まず1LDKで都心に住みたい」という方には、中目黒のほうが現実的な入口になります。中目黒の5,700万円はこのシリーズ全体でも最安水準です。
| 駅 | 件数 | 中央値 | 坪単価(中央値) |
|---|---|---|---|
| 目黒 | 86件 | 1億1,000万円 | 608万円/坪 |
| 中目黒 | 42件 | 1億2,000万円 | 645万円/坪 |
2LDKになると逆転します。目黒が1,000万円安く、坪単価も37万円/坪低い。「DINKSで2LDKに住みたい」なら目黒のほうがコスパが良いんです。
| 駅 | 件数 | 中央値 | 坪単価(中央値) |
|---|---|---|---|
| 目黒 | 37件 | 1億6,000万円 | 617万円/坪 |
| 中目黒 | 20件 | 1億6,000万円 | 619万円/坪 |
3LDKは中央値・坪単価ともにほぼ完全に一致。ファミリーで3LDKを探すなら、価格面での優劣はありません。通勤動線・学区・生活環境の好みで選べばいいと思います。
03. 価格帯の分布——二極化する中目黒・安定する目黒
全体の中央値は近くても、どの価格帯に物件が集まっているかを見ると、2駅の個性が浮き上がります。
| 価格帯 | 目黒(199件) | 中目黒(104件) |
|---|---|---|
| 〜5,000万円 | 10件(5%) | 11件(11%) |
| 5,000〜8,000万円 | 54件(27%) | 31件(30%) |
| 8,000万〜1億円 | 39件(20%) | 15件(14%) |
| 1億〜1.5億円 | 44件(22%) | 23件(22%) |
| 1.5億〜2億円 | 28件(14%) | 15件(14%) |
| 2億〜3億円 | 15件(8%) | 6件(6%) |
| 3億円超 | 9件(5%) | 3件(3%) |
中目黒は5,000万円以下が11%と目黒(5%)の倍以上。一方で8,000万〜1億円帯は目黒20%に対して中目黒14%と少なめです。「安い物件か、それなりに高い物件か」に二極化しているのが中目黒の特徴です。
目黒は8,000万〜1億円帯(20%)・1億〜1.5億円帯(22%)が厚く、「1億円前後の中間層向け物件」が豊富です。選択肢の幅が広く、「予算1億円前後でじっくり探したい」という方には目黒が探しやすいと思います。
1.5億円以上の高額帯の比率は2駅でほぼ同じ(目黒27%・中目黒23%)。超高額帯のボリュームに大差はありません。
04. 同じ築年でも1億円近く違う——エリアブランドの差
同じ築年代でも、駅が違うとここまで価格が変わります。
| 築年代 | 目黒 | 中目黒 |
|---|---|---|
| 〜1981年(旧耐震) | 6,600万円(50件) | 5,700万円(27件) |
| 1990年代 | 8,800万円(41件) | 7,400万円(31件) |
| 2000年代 | 1億1,000万円(23件) | 1億9,000万円(11件) |
| 2010年代 | 1億2,000万円(64件) | 1億5,000万円(27件) |
| 2020年代 | 1億8,000万円(21件) | 1億5,000万円(7件) |
旧耐震と1990年代は目黒のほうが高い。ところが2000年代・2010年代になると中目黒が逆転します。
特に2000年代は中目黒1億9,000万円 vs 目黒1億1,000万円と8,000万円の差。中目黒の2000年代には東山エリアの高級物件が含まれており、これが平均を大きく押し上げているためです(サンプル11件のため参考値として見てください)。
2020年代は逆に目黒(1億8,000万円・21件)が中目黒(1億5,000万円・7件)を上回ります。目黒の再開発で築浅の大型物件が増えている影響と考えられます。
旧耐震(1981年以前)は両駅ともに注意が必要です。フラット35が使えないケース、将来的な耐震補強費用のリスク、銀行によってはローン審査が厳しくなることも。「安い=お得」とは単純に言えません。
05. 結局どちらを選ぶべき?目的別に整理してみた
データを整理してきたところで、「自分はどちらを選べばいいの?」という観点でまとめてみます。
01
1LDKで都心デビュー、予算を抑えたい → 中目黒
1LDKの中央値5,700万円は目黒(7,300万円)より1,600万円安く、シリーズ全体でも最安水準です。「まず中目黒に住んでみる」という入口として現実的な選択肢です。
02
DINKSで2LDK、コスパ重視 → 目黒
2LDKの中央値は目黒1億1,000万円 vs 中目黒1億2,000万円と1,000万円の差。件数も86件と豊富で選択肢が広い。「2LDKをじっくり探したい」なら目黒のほうが動きやすいです。
03
ファミリーで3LDK → どちらでも同じ、生活環境で選ぶ
3LDKは目黒・中目黒ともに中央値1億6,000万円・坪単価617〜619万円/坪と完全に横並いです。価格差はほぼないので、通勤路線・学区・日常の買い物動線などで選んでください。
04
1億円前後で選択肢を多く見たい → 目黒
目黒は8,000万〜1.5億円帯の物件が全体の56%を占め、中間層向けの選択肢が豊富です。件数も199件とシリーズ最多水準。「じっくり比較して選びたい」なら目黒の市場の厚みが有利です。
06. 2駅で物件を探すときに、確認しておきたいこと
どちらの駅を選ぶにしても、動く前に確認しておきたいポイントを整理しておきます。
01
中目黒は地区まで絞って探す
中目黒駅圏は東山(1億6,000万円)・上目黒(1億2,000万円)・中目黒(8,800万円)・青葉台(6,200万円)と地区によって2.6倍の差があります。「中目黒エリアで探す」だけでは予算感がバラバラになります。
02
目黒は「目黒アドレス」が意外と安い
目黒駅圏で最も高いのは「西五反田」(1億8,000万円)で、「目黒」アドレス(8,150万円)は最安グループです。駅名と住所のイメージが逆転しているので、地区まで確認してください。
03
旧耐震物件のローン・管理を確認する
両駅ともに旧耐震(1981年以前)物件が多く流通しています。目黒50件・中目黒27件。フラット35が使えないこと、将来的に耐震補強費用が発生するリスクがあること。価格が安い理由として頭に入れておいてください。
04
このデータはあくまで「参考」として使う
今回の303件は、届出・公開された取引の一部です。すべての取引ではありません。個別物件の査定や価格判断は、実際の専門家に相談するのが一番確実です。
目黒・中目黒エリアのことを、一緒に整理しませんか。
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