本記事のデータは国土交通省「不動産取引価格情報・成約価格情報」(2025年第1〜第4四半期)をもとに集計しています。渋谷駅・神泉駅最寄りの中古マンション取引のうち、実需向けの1LDK以上に絞った159件を対象としています(1R・1K・1DK等の小型住戸は対象外)。届出・公開された取引の一部であり、すべての取引を網羅したものではありません。
「渋谷のマンションって、実際いくらくらいするの?」
そう思って調べると、2,600万円の物件もあれば10億円の物件もある。幅が広すぎて、よくわからなくなりませんか。
今回は、国土交通省が公開している2025年の実取引データを使って、渋谷駅・神泉駅エリアの中古マンション相場を整理してみました。1LDK以上の実需向け159件に絞っているので、「実際に住む人が買った値段」に近い数字になっています。一緒に見ていきましょう。
01. まず結論——渋谷・神泉エリア1LDK以上の相場感
中央値
1億1,000万円
坪単価(中央値)
661万円/坪
対象件数
159件
まずざっくりとした感覚値として、こう覚えてもらえると整理しやすいと思います。
01
1LDK
約 8,400万円
02
2LDK
約 1億2,500万円
03
3LDK
約 3億1,500万円
平均値は1億4,602万円ですが、これは10億円という超高額物件に引き上げられています。「中央値」のほうが実態に近い数字です。中央値とは、取引を安い順に並べたときにちょうど真ん中にくる値のこと。極端な物件に左右されないので、相場感をつかむのに向いています。
同じシリーズで調べた表参道(1億6,500万円)・南青山(1億8,000万円)と比べると、渋谷・神泉エリアは5,000〜7,000万円ほど抑えめです。「都心に住みたいけど表参道・青山は予算が厳しい」という方に、渋谷エリアは現実的な選択肢になりやすいと思います。
02. 間取り別に見ると、もっとリアルになる
「1LDKと2LDKでこんなに違うの?」と思う方も多いんです。実際の数字を見てみましょう。
| 間取り | 件数 | 中央値 | 坪単価(中央値) |
|---|---|---|---|
| 1LDK | 74件 | 8,400万円 | 653万円/坪 |
| 2LDK | 64件 | 1億2,500万円 | 661万円/坪 |
| 3LDK | 8件 | 3億1,500万円 | 1,145万円/坪 |
| 4LDK以上 | 2件 | — | ※少数参考値 |
1LDKと2LDKの坪単価がほぼ同じ(653円 vs 661万円/坪)なのは面白い特徴です。南青山では広くなるほど坪単価が上がりましたが、渋谷・神泉エリアでは1LDKも2LDKも同水準。間取りが変わっても単価は変わらないので、「予算を増やしてでも広い部屋を選ぶ」という判断がしやすいエリアといえます。
3LDKは件数が8件と少なめですが、中央値3億1,500万円・坪単価1,145万円/坪と一気に跳ね上がります。3LDKを探すなら、予算感が大きく変わることを頭に入れておいてほしいです。
03. 渋谷駅 vs 神泉駅——同じエリアで5,000万円の差
渋谷駅と神泉駅は歩いてすぐの距離です。でも相場はかなり違うんです。
渋谷駅(101件)
1億3,000万円
中央値 / 坪単価793万円/坪
神泉駅(58件)
7,600万円
中央値 / 坪単価508万円/坪
中央値で5,400万円、坪単価で285万円/坪の差。同じ「渋谷区」でも、最寄駅が変わるだけでこれだけ違います。
地区別に見るとさらにリアルになります。
| 地区 | 件数 | 中央値 |
|---|---|---|
| 渋谷 | 32件 | 1億7,500万円 |
| 南平台町 | 15件 | 1億5,000万円 |
| 宇田川町 | 24件 | 1億3,500万円 |
| 神泉町 | 16件 | 8,950万円 |
| 円山町 | 8件 | 8,150万円 |
| 松濤 | 16件 | 7,750万円 |
| 青葉台 | 19件 | 6,100万円 |
| 桜丘町 | 9件 | 7,600万円 |
渋谷地区・南平台町・宇田川町が1億円以上の高水準。一方で松濤・青葉台・桜丘町・神泉町は6,000〜9,000万円台に収まっています。
特に松濤は注目してほしいです。「松濤」と言えば東京でも有数の高級住宅街として知られていますが、中古マンション市場では中央値7,750万円と比較的抑えめなんです。一戸建ての街というイメージが強く、マンションの流通数自体が少ないことが影響していると思われます。
04. 築年数が価格に与えるインパクト
「築古だから安い」とはわかっていても、実際どのくらい違うのか。数字で見るとハッとします。
| 築年代 | 件数 | 中央値 |
|---|---|---|
| 〜1981年(旧耐震) | 30件 | 5,700万円 |
| 1982〜1989年 | 1件 | ※少数参考値 |
| 1990年代 | 27件 | 9,000万円 |
| 2000年代 | 43件 | 1億3,000万円 |
| 2010年代 | 12件 | 1億2,500万円 |
| 2020年代 | 44件 | 1億5,000万円 |
旧耐震(1981年以前)の中央値が5,700万円。2020年代築が1億5,000万円。2.6倍の開きがあります。
渋谷エリアの特徴として、2020年代築の件数が44件と多い点があります。渋谷駅周辺は再開発が進んでいるエリアなので、築浅・新築に近い物件の流通が多いんです。「新しい物件に住みたい」という方には、選択肢が比較的ある場所だと思います。
旧耐震物件は価格が抑えられる分、いくつか注意が必要です。住宅ローンのフラット35が使えないケースがあること。管理組合で将来的に耐震補強の費用がかかる可能性があること。銀行によってはローン審査が厳しくなることも。「安い=お得」とは単純に言えないので、注意してほしいです。
05. 「改装済み」が安い?渋谷ならではの逆転現象
改装済み(21件)
6,900万円
中央値
未改装(18件)
1億2,000万円
中央値
改装済みのほうが安い。これは少し不思議に感じるかもしれません。
理由として考えられるのは、改装されているのが旧耐震の築古物件に多いためです。旧耐震物件は価格が低い分、売主がリノベーションして付加価値をつけて売り出すケースがあります。それでも「築古×旧耐震」という事情が価格を押し下げているため、改装済みでも未改装(比較的築年の新しい物件が多い)より安くなる、という構造です。
南青山では改装済みが未改装の2倍でした。表参道はほぼ差なし。渋谷・神泉は逆転。同じ「都心の中古マンション」でも、エリアによって傾向がまったく変わるんです。改装の有無だけで判断せず、築年と組み合わせて考えてほしいです。
06. 渋谷・神泉エリアで物件を探すときに、確認しておきたいこと
データを見てきたところで、実際に動くときに確認しておきたいポイントも整理しておきます。
01
渋谷駅か神泉駅か、地区まで絞って探す
渋谷・神泉エリアは地区によって相場が6,100万円〜1億7,500万円と約3倍の開きがあります。「渋谷区で探す」ではなく「どの地区に住みたいか」まで絞ってから動くと、予算感が整理しやすくなります。
02
改装済み物件は築年を必ず確認する
渋谷エリアでは改装済みでも旧耐震の築古物件であるケースが多くあります。きれいに見えても、耐震性やローン審査の条件が変わることがあるので、築年は必ず確認してください。
03
旧耐震物件のローン・管理を確認する
1981年以前の築年数は旧耐震基準です。フラット35が使えないこと、将来的に耐震補強費用が発生するリスクがあること。価格が安い理由として頭に入れておいてください。
04
このデータはあくまで「参考」として使う
今回の159件は、届出・公開された取引の一部です。すべての取引ではありません。個別物件の査定や価格判断は、実際の専門家に相談するのが一番確実です。
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