「70㎡と80㎡、10㎡の差ってどのくらい大事なの?」——数字だけ見ると10㎡の違いですが、体感はかなり異なります。そしてエリアによって10㎡の「値段」が2,000万〜4,000万円と大きく変わることは、あまり知られていません。今回は港区・渋谷区・目黒区の2025年実取引データをもとに、「10㎡の価格差」を徹底分析しました。
01. エリアによって「10㎡の値段」は2倍変わる
KEY DATA
港区の価格差
約4,000万円
70㎡台 → 80㎡台
渋谷区の価格差
約3,000万円
70㎡台 → 80㎡台
目黒区の価格差
約2,000万円
70㎡台 → 80㎡台
| エリア | 70〜79㎡ 中央値 | 80〜89㎡ 中央値 | 価格差 | 件数(70/80) |
|---|---|---|---|---|
| 港区 | 1億6,000万円 | 2億円 | +4,000万円 | 240件 / 202件 |
| 渋谷区 | 1億5,000万円 | 1億8,000万円 | +3,000万円 | 124件 / 82件 |
| 目黒区 | 1億1,000万円 | 1億3,000万円 | +2,000万円 | 128件 / 55件 |
※サンプルサイズや個別物件の特性によって変動します。参考値としてご活用ください。
同じ「10㎡の差」でも、港区なら約4,000万円、目黒区なら約2,000万円。エリアによって2倍の開きがあります。
02. 坪単価で見ると「エリアの性格」が見えてくる
PRICE PER TSUBO
| エリア | 70〜79㎡ 坪単価 | 80〜89㎡ 坪単価 | 坪単価の上昇 |
|---|---|---|---|
| 港区 | 708万円/坪 | 826万円/坪 | +118万円/坪 |
| 渋谷区 | 661万円/坪 | 701万円/坪 | +40万円/坪 |
| 目黒区 | 519万円/坪 | 537万円/坪 | +18万円/坪 |
港区は「広さプレミアム型」
80㎡台になると坪単価が118万円/坪も上昇します。面積が増える分だけでなく、単価も上がる。港区では「大きい部屋」自体に付加価値がつきやすい構造です。
目黒区は「面積コスパ型」
80㎡台になっても坪単価の上昇はわずか18万円/坪。面積が増えた分だけ素直に高くなる構造です。「同じ単価で広い部屋が買える」という意味で、ファミリー層に割安感があります。
渋谷区はその中間
坪単価の上昇は40万円/坪と港区より緩やか。ただし絶対値の坪単価は目黒区より高く、総額は3区の中間に位置します。
03. 10㎡広いと生活はどう変わるか
リビングが広くなる
70㎡の3LDKでは各室が狭く、リビングは12〜13帖程度になりがちです。80㎡になるとリビングが15〜16帖前後に広がり、ソファとダイニングテーブルを無理なく置けるゆとりが生まれます。
70㎡の3LDK(目安)
LDK 約12〜13帖
各部屋はコンパクト
80㎡の3LDK(目安)
LDK 約15〜16帖
収納・書斎スペースの余裕
収納・ワークスペースが増える
10㎡の差は洋室1部屋分の収納増、またはワークスペース(書斎コーナー)として使える面積です。子どもが2人いるファミリーや在宅勤務の多い方にとって、この差は体感上かなり大きくなります。
04. 価格差が「見合う」ケース・「見合わない」ケース
価格差が見合いやすいケース
| 状況 | 理由 |
|---|---|
| 子ども2人以上のファミリー | 各部屋の狭さは生活動線・学習環境に直結。10㎡の差が毎日の生活の質に影響。 |
| 在宅勤務が週3日以上 | 専用ワークスペースの有無が仕事の生産性を左右。70㎡では書斎を確保しにくい。 |
| 長期保有(10年以上)を前提 | 毎日の快適さのコストとして分散すると、年間差額は小さくなる。 |
70㎡で十分なケース
| 状況 | 理由 |
|---|---|
| 夫婦のみ・子ども1人 | 2LDKで十分な場合が多く、無理に3LDKを求める必要がない。 |
| 住み替え前提(5年以内) | 価格差2,000〜4,000万円を短期間で回収するのは難しい。流動性の高い70㎡台の方が売りやすいケースも。 |
05. 実は面積より先に確認すべきこと
| 優先順位 | 項目 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 立地・アクセス | どんなに広くても使いにくい立地では生活の質が下がる |
| 2 | 管理状態 | 修繕積立金・長期修繕計画・管理組合の健全性 |
| 3 | 向き・採光 | 70㎡南向きと80㎡北向きなら、70㎡の方が快適なことも |
| 4 | 面積 | 上記が同条件なら、初めて面積が決め手になる |
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よくある質問(FAQ)
Q. 70㎡と80㎡の価格差はどのくらいですか?
A. エリアによって異なります。港区では約4,000万円、渋谷区では約3,000万円、目黒区では約2,000万円の差があります(2025年成約データより)。
Q. 70㎡で3LDKは可能ですか?
A. 可能ですが、各部屋がコンパクトになります。LDKは12〜13帖程度になることが多く、子ども部屋は6帖以下になるケースも少なくありません。収納スペースも限られがちです。
Q. 目黒区で80㎡台を選ぶメリットは?
A. 目黒区は坪単価の上昇が小さいため、面積が増えた分だけ素直に価格が上がる「コスパ型」の構造です。港区・渋谷区と比べて広さのプレミアムが乗りにくく、ファミリー層にとって割安感があります。
Q. 面積より先に確認すべきことはありますか?
A. 立地・管理状態・向き・採光を先に確認することをおすすめします。70㎡南向きと80㎡北向きなら、体感の快適さは70㎡が上になることもあります。面積は、それらが同条件になって初めて決め手になります。
Q. 住み替えを前提にするなら70㎡と80㎡どちらが良いですか?
A. 短期の住み替えを前提にするなら、流動性の高い70㎡台の方が売りやすいケースが多いです。価格差2,000〜4,000万円を短期間で回収するのは難しいため、長く住むほど80㎡台の費用対効果が上がります。